「こいつはもう、お前の知ってる雪やない。」





その言葉は、やけに重く私の心に響いた。





誰が私の名を呼んだのだろう、





視線を動かそうとしても、無理やり固められているようでピクリとも動かなかった。





右手は誰かに握られているみたいであたたかい。





「…なぁ、丈くん。」





低い声が頭に響く。





「俺らの夢、叶えさせてや。」





その時少しだけ視線が動き、私の手を握る男の人の顔が見えた。





その人の目元には、涙の跡がくっきりついていた。
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